50th SPECIAL SITE -50周年スペシャルサイト-

MEMORIAL ISSUE

創業者×二代目×現社長SPECIAL CROSS TALK

代表取締役社長 田中 健裕 創業者 田中 裕士 二代目代表取締役社長 永田 繁夫

1970

2020

TIMEC TO 50TH ANIVERSARY

創業50年を記念して、
会社を産み、育て、導いてきた
代表者3名による特別対談を開催。
これまでの歩みを振り返ると
ともに、受け継がれていく
タイメックの志を紐解いていく。

起業の原点は、
裏打ちされた技術力。

裕士私は中学校卒業後、大手自動車メーカーの技能養成工制度に合格し就職しました。モノづくりが好きでやりがいを感じつつ頑張って働いていましたが、ある時、当時の大企業は学歴によってキャリアがほぼ決まるということを知りました。それならば自分の手で将来がひらける独立の道を選択しようと思ったのが創業のきっかけです。その頃は国民が乗用車で通勤をはじめた時代で、運転に不慣れな人が多く事故が多発しており、その事故車の修理を個人的に請け負っていました。それが段々と評判になり、自動車鈑金塗装業としてスタートすることにしました。企業在職中には、社内プロジェクトで試作車両一台をハンドワークだけで作ったり、社内外の技能コンテストで何度も上位表彰されたりしたこともあり、技術力には自信がありました。

永田実は私も裕士さんに車の修理をお願いした一人。普通ならスクラップというところを、他の車とニコイチにして再生してもらいました。私自身も当時自動車の部品製造会社に勤めていたこともあり、その技術力の高さに惚れこみ入社することにしました。その後、裕士さんと共に働いていくうち、責任ある立場にしていただいていたある日、「健裕が事業継承するまで中継ぎを務めてくれないか?」という二代目社長就任の打診を受けました。長年裕士さんの苦労を一番間近で見ていただけに、ずいぶん悩みましたが、今までの受けた御恩を返すためにもなんとか繋いでいこうと決心しました。ただ、現状維持ということでは面白くありません。健裕さんに会社を渡す時には、しっかり業績を上げて引き継ごうと頑張ってきました。

田中 健裕 健裕私はアメリカの大学を卒業して、すぐにタイメックへ入りました。入社2年目の時に、当時現役社長であった父が神奈川へ工場を立ち上げるにあたり、責任者として赴任しました。それから10年間、湘南工場を発展させ、業績を上げることに注力しました。その後、2009年に系列会社を含めた3社を統合する際に、代替わりも合わせてということで三代目社長に就任しました。当時はリーマンショック 翌年で、売上が下落しきった頃だったので、大変しんどかったのですが、ある先輩経営者に「もう後は上がるだけだからいい時に社長になったな」と言われ救われた気持ちになりました。そしてそれを信じてがむしゃらにやってきました。

世代を越えて、
受け継がれていく社是と経営理念。

世代を越えて、
受け継がれていく
社是と経営理念。

田中 裕士 裕士私のモットーは社是にある「固有技術の向上」「品質の保証」「納期の保証」。これをもとに会社全体に技術力を浸透させて、社員がついて来てくれたからこそ、経営を続けられてきたのだと思います。

永田私も他社より良いものを早く作ろうというのは信念でしたね。『コンビニ的な製造業』を掲げたのもポイントです。それは、お客様が必要とする時に、必要な製品を、必要なだけ提供できるようにしようという方針です。特に私の代では、機械設備関係をどんどん更新していきました。中でも一番苦労したのが3次元CADですかね。当時はパソコンではなくワークステーションと言って、ハードウェアごと導入しなければならず、使えるようにするまでには随分と骨が折れました。とにかく新しいモノを取り入れ、それを使う人材を採用し育てて、業績を伸ばしていこうという考えのもと自分なりに努力してきましたね。

社是健裕当社の追求すべき事柄は社是に尽きますが、私が社長就任時には、もう社員数120名程の規模で、リーマンショック後という混乱の時期と重なっていたこともあり、まずは全社をまとめるために経営理念を作ることに取り組みました。なぜタイメックで仕事をするのか、タイメックが世の中に存在する理由は何なのか、ということを明確に表したものが必要だと感じていたからです。そして半年間かけて、“情熱と信念を持って行動し、社会の発展に貢献することにより全社員を幸福にする!”という経営理念を策定しました。さらに経営目標や方針、事業年度計画などを記した経営計画書も作成。それらを少しずつ全社に浸透させ、経営理念にある「全社員を幸福にする」ということを現在も追求し続けています。また、特に力を入れたのが、環境整備という活動です。元々、父も永田さんも5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を早くから厳しく経営に取り入れていたのですが、それをさらに進化させ、より機能するようにバージョンアップさせました。その成果と言えるかもしれませんが、会社がドンドンきれいになると同時に、様々なことに気づく“人財”もたくさん育ち、取引関係者の方々から社員達の対応をとても褒めていただけるようになりました。そしてそれに伴い業績も上がっていきました。

社員の幸福のために。
これからも挑戦はつづく。

裕士2020年に50周年目を迎えると聞くと長く感じますが、これを通過点として社員みんなが手を取り合って、もっと世の中に認められる企業になって欲しいと思います。現社長をはじめ、タイメックで働く従業員とその家族はもちろんのこと、お取引先様および関係者の方々、その人達の家族も含めて、幸せになれる会社であることが一番だと思います。

永田 繁夫

永田モノづくりの流れというのは、どんどん変わっていくものです。時代それぞれのニーズや方向性を見定めて、しっかりとやってもらえれば良いと思います。50年と言わず、100年、200年と続く会社にして欲しいですね。

健裕まずは、当社にこの50年間関わってくださった全ての方々に感謝したいと思います。お二人が言うように、これからの50年でモノづくりの方向性が大きく変わるかもしれないし、もしかしたらモノづくりではない会社になっているかもしれません。それでもTIMECという社名のルーツである「タイムチャレンジ ~あくなき時間への挑戦~」というコンセプトは必ず受け継ぎ、さらなる発展を目指していきたいと思っています。